●歴史上でのビーナストランシット 西洋占星術から見たビーナス・トランシットの |
●開かれるゲート 〜ビーナス・トランシットの意味〜 占星術から見たビーナス・トランシットの役割ですが、以下は、私の今の仮説ですが、 ビーナストランシットに挟まれた8年という間に、何らかのゲートが開き、未知の価値観がそこから入り込むことで、今まで世界で「これが常識」とみなされていたものが、根柢から書き替わるような「きっかけ」が起こる期間になるのでないか、ということです。 そして、それらのキーになるのが、金星になってくるのではないのか、ということです。 さてそのゲートとは、いったいなにか。 欲望のゲートが開かれたらどうなるか。 それは、各人で「これがしたい」という意志に、個人的な欲求と欲望、感情な嗜好が入り込み、強烈になって、公の場にどうどうと横行し、白日のもとにさらされるという現象となって現れるのではないでしょうか。 西洋占星術上では、ビーナストランシットのチャートを見てみると、太陽と金星はぴったり重なっています。 太陽と他の天体がぴったり重なった状態を、特に古典派(モダン派でも人により採用されている)では、コンバストという言い方をします。下の図をご覧下さい。 何故、ここまで極端なことを言うのでしょうか。 太陽は、古典占星術では、天体たちの中で王と位置付けられています。王である彼は、全ての上に君臨しますから、周りに来た惑星全てを焼き付くす、と考えられているのです。 なるほど、あの太陽の中に、まともに突っ込めば、たちまちその強大なエネルギーによって、燃え尽きるという感じがしますね。無礼もの!という感じでしょうか。 私が鑑定していても、確かに太陽と金星の合というのは、ワガママになりやすかったり、自分の欲が、公的な場において全面に出易い、というケースが多いと思います。つまり、金星のネガティブな面が、おおっぴらになりやすいという出方をするのです。 しかし、例外があります。 さらに近付き、ぴったりと重なったとき、古典派では、カジミ(Cazimi, in the Heart of Sun.)と言って、あたかも、王と一緒の椅子に座っているというような、とてもいい状態として捉えられています。命令する特権を一時得たようなものです。 通常、黄道上の太陽と金星は、合といっても離れています。しかし、今回のビーナストランシットは、通常の合以上に、合。まさに、カジミ中のカジミと言っても良いと思います。 イメージとしては、太陽に向かって力を失い、息も絶え絶えになりながら、燃え尽きた金星が、重なった瞬間、王の懐、つまり心臓に入り込むことで一気に甦り、王座に座るような状態です。 また、上の図にもあるように、ビーナストランシットのとき、金星は必ず逆行しています。 逆行中の天体は、私が鑑定する時は、自分の内面を掘り下げる部分であり、あまり外には出にくいと捉えています。 つまり、金星の役割は、なかなか表に出ないで、人々の心そのものに入り込んでしまうともかんがえられます。 |
●2004年のビーナス・トランシット効果は? それでは今回、2004年のビーナス・トランシット後の日本では、どういう展開が予想されるでしょうか。簡単に御説明します。 単純に考えた時、女性の台頭が考えられます。 理想に燃える女性が、それを熱く語るのです。 当然、ビジネスシーンでも、そういう傾向のものが台頭します。 ポイントとしては、この太陽・金星、冥王星のオポに対して、子午線(タテのつながり)とできるグランドクロス。 このポイントに巻き込まれている人は、こんご8年間においては、自分の中の金星と太陽、この金星とが活性化し連動することで活躍し、物凄い苦労の末に、物事の神髄を掴むでしょう。 そう、今回のビーナストランシットは、ずばり女性が試練を受けるのです。その犠牲と奉仕こそが、世界を救うカギとなるでしょう。 おそらく、人を通して、自分自身を大改革していくというのが、大きなテーマとなると思います。 女性と比較して、男性なるものが今回あまり目立っていないため、現象としては派手には出てこないかも知れません。しかし、内面では物凄い変革が起こるようです。月が水瓶座の最後の度数で、ノーアスであることも気になります。 今回のビーナストランシットで、皆さんに是非、こころして頂きたいことがあります。 それは、自分の「欲望の落としどころ」をしっかりと見つけ、行動せよ、ということです。 行き過ぎた欲望は、凶器と狂気に繋がります。そして、私が一番懸念しているのは、実はそこなのです。 欲は決して、いけないことではありません。欲が無ければ、人は生きて行けない。しかし、欲の使い方を知らないと、それは必ず滅びの道を辿ることとなるでしょう。快楽に、人はあらがえません。 近年、キリスト教が台頭し、金星が堕天使として地に落ちてから、人は「欲望」をいけないものとして、快楽を閉じ込めようと努力していました。 しかし、実は、押し込めれば押し込めるほど、闇の金星は人の心に入り込み、そして支配するのです。 私は、光も闇も共に必要なものだと考えています。しかし、バランスは大切です。 そのバランスを取るためにも、欲望のゲートが開かれるこの8年間、自分が「何故生まれてきたか」「自分が本当にしたかったこととは何なのか」ということを、しっかり自覚し、その達成のために、前向きに、この強烈なエネルギーを昇華して欲しいと私は思うのです。 そして金星を悪いことと閉じ込めるのではなく、自分が本当に好きなものとは何かということ、そしてその欲求に対して恐れずに受け入れ、それを味わい、積極的に使いこなして欲しいと思います。 女性なるもの(女性だけではなく)が、受動的なだけでなく、大人(太陽)になること。そしてそれができるチャンスであるのが、ビーナストランシット、とも言えるのです。 |